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文献詳細

雑誌文献

medicina12巻3号

1975年03月発行

文献概要

術後障害とその管理

胆のう切除後の障害 その1

著者: 柴田一郎 牧野永城1

所属機関: 1聖路加国際病院外科

ページ範囲:P.356 - P.359

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 柴田 胆のう切除と申しますと,胆のう癌は別格として,胆石症,慢性胆のう炎による場合が,一番多いと思います.私ども内科医も胆摘後の患者をしばしば経験しますけれども,切ったあとに前と同じような疝痛がくるとか,さらに発熱も伴っているといったケースが,ほかの手術に比べて多いように思います.また,最近の文献をみますと,いわゆるsilent stoneでも,石が証明された場合は切ったほうがいいとありますし,一方,術後障害も10%前後にみられるといわれております.ひと昔前と比べると,外科は格段の進歩をとげていると思うのですが,それでもまだ術後障害をなくすことができないものか,また術後障害に関して,開業医のやれる検査は非常に限られていますので,術後の後遺症として,どんなものが多いのか,またその診断の目安などについてうかがいたいと思います.
 牧野 私どもも,過去10年間に約1,000例以上胆摘をやった成績からみても,また他の人の報告をみても,術後全く症状のとれたもの,および多少あってもほとんど問題にならず患者も気にしてないものまで含めると,おそらく胆摘後の患者の95%近くは,満足すべき結果を得ているといってよいでしょう.成績良好な胆石はほんとうに手術をやって喜ばれる病気なんです.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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