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文献詳細

雑誌文献

medicina12巻4号

1975年03月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント I.尿検査

尿pH

著者: 猪狩淳1

所属機関: 1順大臨床病理

ページ範囲:P.404 - P.405

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異常値を示す疾患
 健康人尿のpHは4.5〜8.0と変動し,1日プール尿では通常弱酸性(pH6付近)である.このような大きな変動幅をもつ尿pHの異常値はどこかというと,他の検査所見のように前述の範囲をはずれたら異常値という考え方はできない.健康人でも睡眠中は肺換気量減少のため呼吸性アシドーシスの状態となり,尿は酸性となり,起床とともに低下したpHはもとにもどる(moming alkaline tide).また食後尿は,食物にもよるが,大体アルカリ性に傾き(post parandial alkaline tide),1〜2時間後にふたたび酸性となる,一般に動物性タンパク摂取後は酸性に,植物性食品ではアルカリ性に傾き,はげしい運動後は血漿中乳酸が増加し,一過性のlactic acidosisとなり,尿は酸性を示すといわれている。したがって尿pH5あるいは8という成績がかえってきても,果してこの値が生理的なものか,異常状態のためにあらわれたものなのかを区別するのは受持医の仕事なのである.もちろん尿pHが4以下,8以上であれば異常値といえるが,病的状態における変動でもこのようなことはまず起こらない,したがって尿pH検査のみをみた場合,疾病診断としての有用性に乏しい.
 通常尿pHが酸性(アルカリ性)を示す疾患を表に示した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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