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文献詳細

雑誌文献

medicina12巻4号

1975年03月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント I.尿検査

尿クレアチン,クレアチニン

著者: 大森清彦1 置塩達郎1

所属機関: 1大阪府立成人病センター

ページ範囲:P.419 - P.421

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異常値を示す疾患
 クレアチン(Cr)は腎でglycineよりglycociamineが,次いで肝でのmethyl化で生合成され,血行によりその98%が骨格筋に運ばれ,半分近くがCr燐酸として活性化され収縮力源となる.筋肉では常に一定ペースでCrから非可逆的に脱水,クレアチニン(Crn)が生成され,ただちに血中に出され,まったくの老廃物として通常腎糸球体より容易に排泄され,尿細管再吸収分泌は見られない.一方Crもその腎排泄閾値は低く血清Cr正常レベル程度であって,少し高くなっても容易に排泄され,産生に対してもfeedback機構が働くといわれ,血中濃度は高くなり難い.臨床でのCr,Crn異常は表の如く通常3型に大別されるが,大部分は神経筋疾患に見られ,筋異常の反映として血中および尿中Cr↑,Cm↓のパターンを示し,しかも上記排泄動態よりして,腎障害が高度でない限り,その増減は血中レベルとしてより1日尿排泄量として増幅される.したがってCr,Crnの日常検査では,腎障害時を除いては尿中排泄量の変化の意義が大きい.
 表の〔I〕ではCr産生は正常でも筋細胞のCr取込み,保持あるいは利用の低下,障害,筋量減少のためにCrが血中に停留し尿Cr増加,一方Crn生成も低下して血中,尿Crn減少をきたすと考えられている.たとえばDMPは保持障害,神経原性萎縮は取込障害や筋量減少,HyTは筋萎縮も一因となり得るが,むしろ細胞膜透過性異常やこれに関連したK代謝異常が推定されている.成績を要約するとCr増加はDMPで最も大きくcreatine diabetesといわれるほど特徴的で,次いでDM(PM),ポリオ,HyT,SPMA,PN,ACSでの増加が目立つ.その他はミオパチーでも変化は軽度である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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