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文献詳細

雑誌文献

medicina12巻4号

1975年03月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント III.髄液検査

圧と外観

著者: 大和田隆1

所属機関: 1北里大脳神経外科

ページ範囲:P.446 - P.447

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異常値を示す疾患
 圧の異常を示す疾患(表)頭蓋内圧測定の方法には,脳室内,後頭下大槽および腰椎穿刺などがあるが,普通補助診断に用いられるのは腰椎穿刺であるので,それについてのべる.腰椎穿刺にて得られる圧は,頭蓋および脊椎腔内の容積(脳,脊髄,血液,髄液および腫瘍,血腫など)の変化に対する容器(頭蓋や脊椎)からのひとしい大きさの反作用の力を髄液を介して測定しているのであり,単に脳脊髄液や脳実質だけの問題ではないことを考慮しなければならない.
 Queckenstedt test両側頸静脈を圧迫すると正常では100mmH2O以上のすみやかな圧の上昇があり,圧迫を除くと急速に圧は下降し初圧に戻る.この圧の変動がすみやかでないものを異常(Queckenstedt test陽性)という.異常を示すときはくも膜下腔の閉塞(ブロック)を意味しておりその程度により完全ブロック,不完全ブロックがある.脊椎管腔の狭窄ないしは閉塞を呈する疾患(脊髄腫瘍,脊髄外傷,椎間板障害,くも膜癒着)の際に重要である,また左右の頸静脈を交互に圧迫しその圧の上昇,下降の差をもって静脈洞血栓や小脳橋角部の腫瘍などを疑うこともある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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