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文献詳細

雑誌文献

medicina12巻4号

1975年03月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント III.髄液検査

髄液血球(赤血球・白血球)

著者: 角田孝穂1

所属機関: 1都立豊島病院・内科

ページ範囲:P.452 - P.453

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異常値を示す疾患
 正常な髄液中には,きわめてわずかなリンパ球と内皮細胞がみられるだけである,そのリンパ球の数も1mm3中2〜3個であるから,髄液中の細胞を算定して1mm3中5個以上の細胞が存在すれば異常で,細胞増多症という.
 細胞増多症では細胞数とともに細胞の種類が問題となる.細胞の種類は多核白血球,好酸球,形質球,リンパ球,白血病細胞,腫瘍細胞などさまざまであるが,一般には細胞の種類を多核白血球と単核白血球(そのほとんどはリンパ球)に区分して,その比が記載される。細胞数の算定に赤血球は除外され,それ以外の細胞を数える.髄液を採取する時にしばしば人工的出血をきたすこともあるが,人工的出血によるものでない赤血球を認めれば異常である.きわめて大量の赤血球を認めた時は脳動脈瘤破裂によるクモ膜下出血で,そのほか脳内出血の脳室穿破,動静脈奇形の破裂によるクモ膜下出血,脊髄出血などでも大量の赤血球を認める,ヘルペス脳炎において赤血球を認めることは特徴的であるが,その程度は少数のものから大量までさまざまである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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