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文献詳細

雑誌文献

medicina12巻4号

1975年03月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント VI.血液検査

赤沈

著者: 磯貝行秀1

所属機関: 1慈恵医大内科

ページ範囲:P.512 - P.513

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異常値を示す疾患
 赤沈は健常者では狭い数値内に恒常性を保っているが,疾患の際には病変の進行・停止,あるいは治癒へと動的な変化にしたがって赤沈も動揺がみられる.赤沈の促進は,炎症・組織の崩壊・貧血および血漿蛋白分画の異常などを反映しており,疾患の活動性を示すよい指標となる.
 また,赤沈の促進は一つの急性期反応とみなされるが,その動きは発症後30時間以上を経過しないと明らかでないので,たとえば急性虫垂炎のときの白血球数増加のごとき速やかな反応性の変動はみられない.同時に異常から正常への復帰も緩徐であるという特質をもっている.しかし,慢性に経過する結核性疾患などの場合,体温・白血球数,あるいはCRPの動きがみられないのに赤沈のみが促進を示して再燃増悪を鋭敏に示唆するという一面をもっている.表1は赤沈の正常値を示したものである.赤沈の異常は「促進」と「遅延」に大別されるが,臨床的意義は前者の方がはるかに大である.「遅延」は正常者でもしばしばみられ,その意義は必ずしも大きくない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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