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文献詳細

雑誌文献

medicina12巻4号

1975年03月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント VI.血液検査

異常ヘモグロビン

著者: 宮地隆興1

所属機関: 1山口大・中検

ページ範囲:P.518 - P.519

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異常値を示す疾患
 ヘモグロビンは,4個のヘムとそれぞれのヘムを支えてとり囲む4個のポリペプチド鎖から構成される.このポリペプチド鎖は4種類があり,141個のアミノ酸からなる賦鎖と,146個のアミノ酸からなるβ鎖,γ鎖およびδ鎖の3種の非α鎖である.このポリペプチド鎖の組み合わせにより3種類の正常成人のヘモグロビンが作られる。すなわちHbA(主要ヘモグロビンで2個のα鎖と2個のβ鎖からなりα2β2で表される),HbF(胎児ヘモグロビンで2個のα鎖と2個のγ鎖からなりα2γ2で表される)およびHbA2(生後産生されるヘモグロビンで2個のα鎖と2個のδ鎖からなりα2δ2で表される)である.
 これらのポリペプチド鎖の産生は他の蛋白の合成と同様に遺伝的に支配されている.それ故遺伝の過程で異常が生ずると(突然変異など)1個以上のアミノ酸の置換,欠除および増加が,ポリペプチド鎖のアミノ酸配列に起こり,正常とは異なったアミノ酸の配列をもったヘモグロビンが産生される性これを異常ヘモグロビンという.α鎖にこのような異常が起こると,HbA,HbFおよびHbA2の3種のヘモグロビンが異常ヘモグロビンとなる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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