文献詳細
文献概要
特集 これだけは知っておきたい検査のポイント VII.血清検査
寒冷凝集反応
著者: 荒田孚1
所属機関: 1国立相模原病院・内科
ページ範囲:P.532 - P.533
文献購入ページに移動 血液を寒冷に爆すと血球が凝集することは1903年Landsteinerにより見出され,これが寒冷凝集反応のはじまりである.その後,肺炎やマラリアで本凝集素価が高値を示すことが臨床的に知られるようになった.1943年Petersonらが,原発性非定型(異型)肺炎(primary atypical pneumoniae)の患者血清中に本凝集素が高率に出現し,陽性の場合には臨床症状と併せて,他の型の肺炎との鑑別に役立つとした.本凝集素は,自己および同種の血球以外,ある種の動物赤血球を凝集し,IgMに属するマクログロブリンであり,あるものはクリオグロブリンの性質がある.しかし,その種類,出現機構,生理的意義は今後の問題であろう.
寒冷凝集素の作用は低温(0~5℃)で最も強く、20℃では活性がほとんど失われ,37℃で凝集は解離する.
寒冷凝集素の作用は低温(0~5℃)で最も強く、20℃では活性がほとんど失われ,37℃で凝集は解離する.
掲載誌情報