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特集 これだけは知っておきたい検査のポイント VII.血清検査
ビダール反応
著者: 国井乙彦1
所属機関: 1東大医科研・内科
ページ範囲:P.540 - P.541
文献購入ページに移動 ビダール反応では腸チフス菌のVi,OおよびH抗原(Vi,TO,TH),パラチフス菌のOおよびH抗原(AQ,AH),パラチフス菌のOおよびH抗原(BO,BH)に対する抗体価を測定するが,通常はH抗原に対する抗体価は必要がない.病気の経過中に,これらの特異的抗体価上昇が認められれば,原因菌の決定に有力な手がかりが得られる.ただし,他の凝集反応試験にも共通のことであるが,単独の血清抗体価に診断的意義をもたせることは通常の場合,無理である.正常入の血清中にもかなりの凝集素が含まれているし,またチフス性疾患の既往,腸パラ予防接種を受けている場合などもあり,何倍までを正常値と決めることが難かしいからである.したがって診断的価値のある検査成績を得るためには,適当な間隔をおいて少なくとも2回以上血清をとり(ペア血清),前後の抗体価を比較する必要がある.これまでの報告をまとめられ,診断的価値のあるビダール反応抗体価のめやす1)として示されているものを引用したものが表である.
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