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文献詳細

雑誌文献

medicina12巻4号

1975年03月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント VIII.血液化学検査

アンモニア窒素

著者: 高橋善弥太1 蟹江匡1

所属機関: 1岐阜第1内科

ページ範囲:P.576 - P.577

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異常値を示す疾患
 劇症肝炎では通常血中アンモニアの中等度上昇を認める1)が,アンモニア値が低くても肝性昏睡をきたしていることもあり,endogenous comaの成因をアンモニアのみでは十分に説明できない.
 猪瀬型の肝脳疾患では門脈副血行路をとおして,末梢血に流入するアンモニアが,海馬などの大脳辺縁系に働いて,興奮,情動行動の異常,健忘,羽ばたき振せん,唾液分泌の亢進などの症状を起こす.
 日本住血吸虫症やBudd-Chiari症候群のような短絡型の肝病変やEck瘻形成手術後でも,しばしば高アンモニア血をきたす,1962年に白木らによって報告された類瘢痕脳型pseudoulegyric typeの肝脳疾患では,脂肪肝または軽い脂肪性肝硬変症があるが,このさいに認められる高アンモニア血を,門脈,大循環系の短絡では十分に説明できない面がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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