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文献詳細

雑誌文献

medicina12巻4号

1975年03月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント VIII.血液化学検査

鉄結合能

著者: 黒川一郎1

所属機関: 1札幌医大・中検

ページ範囲:P.586 - P.587

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 生体内の鉄代謝の指標として,血清鉄と並んで鉄結合能の動態が注目される.血漿中の鉄はβ1グロブリンに属する分子量90,000のムコ蛋白質によって担送される.この蛋白質はトランスフェリン,鉄結合蛋白質,ジデロフィリンなどと呼ばれる.正常者の血清トランスフェリン値は平均260mg/dlといわれ,その1mgは1.3μgのFeと結合する性それ故,正常人血清1dlは260×1.3μg=338μgの鉄を結合しうる能力をもつ.これを総鉄結合能(TIBC)と呼び,このうち血清鉄と結合している割合を飽和率,フリーの部分を不飽和鉄結合能(UJBC)と呼ぶ.鉄結合能はTIBC,UIBCを一応区別し,かつ血清鉄値と関連づけて考えることがのぞましい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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