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文献詳細

雑誌文献

medicina12巻4号

1975年03月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント VIII.血液化学検査

K

著者: 白井大禄1 飯田喜俊1

所属機関: 1大阪府立病院・腎疾患センター

ページ範囲:P.592 - P.593

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異常値を示す疾患
 生体の総K量は3,000〜4,000mEq(45〜55mEq/kg体重)あり,主として細胞内に分布しており細胞外には約2%が含まれているにすぎない.したがって血清K値の異常値は必ずしも体内のKバランスをただちに示しているのではなく,表に示したごとく体内総K量との関連からその異常値を読む必要がある.
 普通食物から摂取されるK量は1日約150mEqで,正常腎は血清K値をほぼ一定に維持するためその85〜90%を腎より排泄することからも明らかなごとく,腎に異常があれば血清K値に異常をきたしやすい.ことに慢性腎不全末期や急性腎不全乏尿期など腎よりのK排泄機能の低下がみられるときには高K血症は必発であり,出血,蛋自異化作用の亢進,脱水症,代謝性アシドーシスなどが加われば,血清K値は異常高値を示す.また逆に急性腎不全回復多尿期,慢性腎盂腎炎,尿細管性アシドーシスなど腎のK保持能の低下があるときには腎より容易にKを喪失し低K血症となる.また腎尿細管におけるK代謝は,Na代謝,酸塩基平衡副腎皮質ホルモン,利尿剤などと密接な関連があり,異常値をみたときこれらとの関連を考慮する必要がある.ことに低K血症からアルドステロン症が発見されることはしばしばであり,また最近は降圧利尿剤としてサイアザイド剤の長期連用による低K血症,逆にスピロノラクトンやトリアムテレンによる高血症などがある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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