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文献詳細

雑誌文献

medicina12巻4号

1975年03月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント VIII.血液化学検査

Cl

著者: 飯田喜俊1

所属機関: 1大阪府立病院・腎疾患センター

ページ範囲:P.594 - P.595

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異常値を示す疾患
 Clは血清の陰イオンの中でHCO3-と共に主要な部分を占めている.そして,HCO3-が酸塩基平衡に重要な役割をなしているのに対して,αはNaやHCO3-の動きに応じて陰イオンの総濃度を調整するのが主な役割と考えられており,NaやHCO3-の変化により二次的に変化することが多い.血清Cl値の異常をきたす疾患,状態について表に示した.すなわち,血清Na値が変化した場合,酸塩基平衡の異常の場合,Clの不適切な投与や喪失などが主な原因となる.
 高Cl血症は脱水症で血液か濃縮して高Na血となった場合,代謝性アシドーシスおよび呼吸性アルカローシス,Clを大量に与えた場合などにみられ,低C1血症は低Na血症,嘔吐や利尿剤使用によるCl喪失,代謝性アルカローシスおよび呼吸性アシドーシス,HCO3-の過剰投与などにみられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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