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文献詳細

雑誌文献

medicina12巻4号

1975年03月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント VIII.血液化学検査

血清アミラーゼ

著者: 内藤聖二1 田中素子1

所属機関: 1順大内科

ページ範囲:P.612 - P.613

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 血清アミラーゼの意義 血清アミラーゼ値の上昇する疾患は表に示すように多種にわたっているが,その大部分は膵疾患,耳下腺疾患であり,その他の臓器の疾患では稀である.正常においても血液中にアミラーゼは放出されており,ほぼ一定である.年齢,加齢による変動は殆どないと考えられるが,正常値の幅は60より160単位(Caraway法),140より360単位(Blue starch法)とかなり広く,その幅の中で変動している.したがって血清アミラーゼ値の上昇のみならず,極度に低値を示す場合も異常と考えなければならない.正常値の幅がかなり広いことと,毎日の変動があることは血清アミラーゼの分泌される臓器は膵臓と耳下腺であり,分泌刺激はそれぞれ異なっている.耳下腺は主として迷走神経の興奮によって分泌が開始されるが,膵臓では消化管ホルモンの分泌が先行し,これによって外分泌腺は分泌を行っており,食物の性質に左右される.したがって血清アミラーゼ値は耳下腺,膵外分泌腺より血中に逸脱してきたアミラーゼの総量で示される。一般に血清生化学的検査ではこの総量が測定されており,これを臓器別に区分するためにはアイソアミラーゼを検討しなければならない.従来肝にもアミラーゼがあるとされていたが,肝よりアミラーゼが分泌されることは証明されていない.現在では肝アミラーゼは血清アミラーゼであろうとされており,または肝のグルコシダーゼが反応するものと考えられている.また肝に証明されるアミラーゼ活性は微量であって診断の障害にはならないとされている。アイソアミラーゼの中にも肝に特有な分画はない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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