icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina12巻4号

1975年03月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント VIII.血液化学検査

LDHアイソザイム

著者: 螺良英郎1 西山雅雄1

所属機関: 1徳島第3内科

ページ範囲:P.626 - P.627

文献購入ページに移動
 血清LDHの上昇をみる疾患については別項に述べた通りであるが,この際さらにLDHアイソザイムによって,疾患臓器と病因についての質的診断が加えられて役立つ場合がある.
 アイソザイムの測定法と分画 血清LDHアイソザイムの分画測定には電気泳動により5つの分画に分ける方法と,酵素蛋白の性質を利用して分離測定する方法の2つに分けることができる.電気泳動による分画では心筋由来と考えられているH型と骨格筋由来と考えられているM型の2つのサブユニットの4個の組み合わせからなるハイブリットで,H4,H3M,H2M2,HM3,M4の5つに分けられ,これらは電気泳動分画の陽極側からのバンドでLDH1,LDH2,LDH3,LDH4,LDH5にそれぞれ相当する(図).後者の分離測定には表1に示したような物理化学的方法によって測定している.すなわち,尿素添加や熱処理によってLDH1,2によるLDHアイソザイムが測定され,蔭酸による処理やピルビン酸,乳酸による生成物阻害によりLDH4,5によるLDHアイソザイムが測定される.なお,α-Hydroxybutyric acidを基質とする反応はHBDの項で述べた通りである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?