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特集 これだけは知っておきたい検査のポイント VIII.血液化学検査
CPK
著者: 里吉営二郎1 中里厚1
所属機関: 1東邦大第4内科
ページ範囲:P.630 - P.631
文献購入ページに移動 CPK(Creatine phosphokinase)はsarcoplasmic enzymeの一つで,ATPおよびADPを補酵素とし,creatine+ATP⇄creatine phosphate十ADPの可逆反応(Lohman反応)を触媒し,高エネルギー燐酸結合の貯蔵またはATPの再生産に関係する酵素である.CPKの体内分布はとくに骨格筋に高値で,その他心筋,平滑筋組織,脳などにも存在するが,実質臓器や赤血球にはほとんどみられない.CPKは各種の筋疾患の診断に主として用いられ,とくに筋原性筋萎縮では高値を示すためその診断的価値が高い.本酵素の測定方法は測定する反応物質の違いから数種類の方法がある.従来本邦では,無機燐酸法が行われているが,その他NAD法,NADPH法,creatine法などがある.これらの正常値は各施設で異なるために,それを考慮に入れて結果を判読する必要がある.
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