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文献詳細

雑誌文献

medicina12巻4号

1975年03月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント IX.膵外分泌機能検査

膵刺激試験

著者: 菊地三郎1

所属機関: 1名大第2内科

ページ範囲:P.640 - P.641

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 膵外分泌刺激によって増量した膵液(臨床的には十二指腸ゾンデで採取した十二指腸液をもって代表する)の諸成分を測定し,あるいは膵の刺激によって血中に逸脱した膵酵素の増加の程度を測定し,これを正常対照者のそれと比較する方法は慢性膵障害の診断に古くから用いられている.膵外分泌を刺激する薬剤としてはエーテル,オリーブ油,塩酸などが初期に用いられ,次いでワゴスチグミン,インシュリンなどが使用され,近年になってセクレチンあるいはパンクレオザイミンのような消化管ホルモンが用いられるようになった.エーテルなど消化管に直接注入する必要のある薬剤は膵液の検査には不適当であり,ワゴスチグミンのように刺激作用が一定せず,かつ副作用の多い薬剤もまた敬遠されるようになった.最近ではパンクレオザイミンよりもセルレインが勝るとの報告もあり1),次第に合成薬剤に代わって行く可能性がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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