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文献詳細

雑誌文献

medicina12巻4号

1975年03月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント X.内分泌機能検査

血中・尿中17-OHCS,11-OHCS,17-KS

著者: 屋形稔1

所属機関: 1新潟大検査部

ページ範囲:P.652 - P.653

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異常値を示す疾患
 尿17-OHCS,血中11-OHCS,尿17-KSの異常を示す疾患を表にまとめた.これらは副腎皮質機能異常を把握するものとしてルーチンによく用いられる.血中17-OHCS,17-KSもほぼ尿中値と平行するが,肝硬変では肝のステロイド代謝異常から尿17-OHCS,17-KSは低値を示す(ただし遊離17-OHCSは高目)にもかかわらず血中はやや高目の値を示す.また甲状腺機能亢進症では代謝亢進があるから内因性コルチゾール分泌は亢進しているが,分泌と代謝が平衡を保つため尿17-OHCSが増加を示す一方,血中17-OHCS,11-OHCSは正常である.11-OH lase欠損症では血中11-OHCSは低値を示すが尿17-OHCSは正常である.
 高値を示すばあいの中でもクッシング症候群は異常高値を示すことが多いが,血中17-OHCS,11-OHCSではとくに日内変動パターンを観察することが重要である.一般に高値のまま持続し午後から夜にかけての低下も平坦で変動を示さない.時に早朝の血中値が正常であっても夕刻や夜間では高値を示す.この点,単純性肥満ではやや高値を示しても日内パターンは正常なので鑑別される.異所性ACTH症候群もいずれの検査でも異常高値のことが多いが,本邦報告例ではクッシング症候群と同レベルである.副腎性器症候群は尿17-KSは異常高値の部類に入るが,21-OH lase欠乏による副腎性器症候群は尿17-OHCSはむしろ低値である.二次性副腎不全やアジソン病はいずれの検査も異常低値を示す.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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