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特集 これだけは知っておきたい検査のポイント XI.腎機能検査
尿素クリアランス
著者: 東条静夫1 土屋尚義1
所属機関: 1千葉大第1内科
ページ範囲:P.676 - P.677
文献購入ページに移動 尿素は糸球体で自由に限外濾過され,その中の種々の割合が尿細管で主として尿細管壁内外の濃度勾配に基づいて再吸収される.再吸収の割合は尿流量に影響され,分時尿量2mlを境として排泄態度を異にするので,2ml/min以下(standardclearance)と2ml/min以上(maximum clearance)とではクリアランスの計算方法も正常値も異なり,一般に正常値に対する%で機能の程度を表現する.
したがって,尿素クリアランス(Curea)はより完全な糸球体性物質(Inulin,Thiosulfateなど)のクリアランスで示される糸球体炉過量(GFR)と一致せず,GFRほぼ正常ないし軽度低下の例では同時に測定したCurea/Cthio比は0.65〜0.40程度の値を示すが,GFRが30ml/min以下の高度腎機能障害例では尿細管再吸収の割合が低下してその比は1.0〜0.55と上昇する.
したがって,尿素クリアランス(Curea)はより完全な糸球体性物質(Inulin,Thiosulfateなど)のクリアランスで示される糸球体炉過量(GFR)と一致せず,GFRほぼ正常ないし軽度低下の例では同時に測定したCurea/Cthio比は0.65〜0.40程度の値を示すが,GFRが30ml/min以下の高度腎機能障害例では尿細管再吸収の割合が低下してその比は1.0〜0.55と上昇する.
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