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特集 これだけは知っておきたい検査のポイント XIII.細胞診
細胞診パパニコロ分類—とくにClass IIIを中心に
著者: 高橋正宜12
所属機関: 1中央鉄道病院中検 2杏林大病院病理
ページ範囲:P.702 - P.703
文献購入ページに移動細胞診のリポート用紙のほとんどすべてに判定記載法としてパパニコロ分類を用いている.ところがPapanicolaou自身,1941年に発表したものと現在普及している分類とに多少の変化を加えている(表1).本質的に異なるものでないことは表記したとおりで,Class IとIIが良性,Class IIIが疑悪性,Class IVとVが悪性という点に変わりはない.細かくみると,当初の分類ではClassIVは悪性の疑いある異型細胞を少数認めた場合と,Class Vを多数認めた場合とに分けたのであるが,1954年の成書には,悪性の疑い濃厚な異型細胞を認めた場合(Class IV)と,悪性と断定できる高度の異型細胞を認めた場合(Class V)とに分けて質的な変化を重くとりあげている.さらに晩年,ClassIIIについて亜型を設けて疑悪性(疑陽性)に説明を加味したのである.一方,細胞診の専門家はとくに婦人科領域で病理学的背景を強くこの分類にはめこもうとした.すなわち,細胞像全体をカウントして子宮頸部の上皮異常を推定しようとする一派はClassIIIを異形成,ないし異型上皮,Class IVを上皮内癌,Class Vを浸潤癌という枠づけを行うことを提唱している.
かような混乱が生じた結果としてActa Cytologicaの編集委員によって論文の投稿にパパニコロ分類の使用が停止されるに到った.その理由としてClass区分のもつ意義の不明瞭なことをあげている.
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