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特集 これだけは知っておきたい検査のポイント XIII.細胞診
呼吸器系の細胞診
著者: 早田義博1 市場政敏1
所属機関: 1東医大第1外科
ページ範囲:P.706 - P.707
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呼吸器系疾患は非常に多く,これら疾患の診断には多くの診断方法が用いられている.これらの中で細胞診は,病巣より脱落した細胞,病巣の表面の擦過細胞,あるいは直接病巣の中を穿刺して細胞採取する3つの方法によって行われ,細胞の形態から疾患の診断を下すものである,今,仮に細胞形態によって診断が可能であると考えられる疾患をあげると,肺癌,悪性肺腫瘍,良性肺腫瘍,肺線維症,肺の炎症であるが,現実では肺癌と悪性肺腫瘍,あるいは転移性肺腫瘍に限定されてくる.しかし将来は良性肺腫瘍などにも応用されるべきである.また前述したように肺癌以外の悪性腫瘍,すなわち肺肉腫の細胞診は経験ある細胞診医では可能であろうが,実際には診断は困難であり,また症例数も非常に少ない.転移性肺腫瘍の細胞診も腎癌よりの転移例を除いては,悪性腫瘍細胞としての診断は可能であるが,原発巣の推定は非常に困難である.したがって,この項では肺癌の細胞診についてのみ述べることにする.また肺癌の細胞診は診断のみならず,各種治療経過における細胞の形態の変化から治療効果,あるいは治療法を選定することも可能である.
呼吸器系疾患は非常に多く,これら疾患の診断には多くの診断方法が用いられている.これらの中で細胞診は,病巣より脱落した細胞,病巣の表面の擦過細胞,あるいは直接病巣の中を穿刺して細胞採取する3つの方法によって行われ,細胞の形態から疾患の診断を下すものである,今,仮に細胞形態によって診断が可能であると考えられる疾患をあげると,肺癌,悪性肺腫瘍,良性肺腫瘍,肺線維症,肺の炎症であるが,現実では肺癌と悪性肺腫瘍,あるいは転移性肺腫瘍に限定されてくる.しかし将来は良性肺腫瘍などにも応用されるべきである.また前述したように肺癌以外の悪性腫瘍,すなわち肺肉腫の細胞診は経験ある細胞診医では可能であろうが,実際には診断は困難であり,また症例数も非常に少ない.転移性肺腫瘍の細胞診も腎癌よりの転移例を除いては,悪性腫瘍細胞としての診断は可能であるが,原発巣の推定は非常に困難である.したがって,この項では肺癌の細胞診についてのみ述べることにする.また肺癌の細胞診は診断のみならず,各種治療経過における細胞の形態の変化から治療効果,あるいは治療法を選定することも可能である.
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