icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina12巻5号

1975年04月発行

文献概要

今月の主題 糖尿病への新たなる対処 インスリンをめぐる診療のトピックス

人工膵島

著者: 馬場茂明1 酒井英世1

所属機関: 1神戸大第2内科

ページ範囲:P.780 - P.781

文献購入ページに移動
 生体内における血糖-インスリン相互関係は食餌,運動などをはじめとする諸因子の影響をうけ,時々刻々と変動している.しかし,糖尿病患者に対して今日まで広く行われてきたインスリン注射による補充療法では,このような生理的な相互関係を1日中厳密に維持することはきわめて困難である.
 近年,糖尿病患者に対するインスリン治療の実際として,とくに合併症の進展防止を意図して,より生理的な血糖-インスリン相互関係を自動的に維持できる人工膵島の開発がすすめられてきた.Soeldnerらのボストングループは,図1,2のような小型で皮下に移植可能なモデルを完成させるべく,現在,その各構成単位の試作を行いつつある.一方,Albisserらのトロントグループは,図3のようなカテーテルを通じて生体と接続する体外型の人工膵β細胞を試作し,臨床実験まで行っている.いずれにしろ,これらは生体における膵ラ氏島の生理機能をモデルにしたものであり,原理的には両者に大きな差はない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら