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文献詳細

雑誌文献

medicina12巻5号

1975年04月発行

今月の主題 糖尿病への新たなる対処

この病態をどう扱うか

虚血性心疾患を合併したとき

著者: 水野美淳1

所属機関: 1東女医大内科

ページ範囲:P.792 - P.793

文献概要

糖尿病に合併した虚血性心疾患の特徴
 糖尿病者には非糖尿病者に比べて心筋硬塞で死亡するものが多いとされているが,心筋障害と糖尿病者は共に高齢者に多い疾患であり,かつ非糖尿病者でも心筋硬塞時には糖代謝異常を伴う.したがって,これまでの統計的な比較の基礎となっている糖尿病者,非糖尿病者の群別は極めて不確実な要素を含んでおり,単純な数値の比較はできない,しかし,それらを考慮して,数の上から糖尿病者には心筋硬塞が多いと一般に考えられ,Framingham Studyにおいても30〜62歳の住民を16年間追求した成績では,肥満,高脂血症,高血圧を考慮しても糖尿病者には心血管系死亡が多かったという3).しかし,それならば,糖尿病の存在は心筋障害の発生を促進しているはずである.ところが心筋硬塞死亡例については,心筋硬塞が糖尿病者では,対照群より若年で起こるという成績は得られていない.質的にも心筋障害,動脈硬化で糖尿病者に特徴的なものは知られていない.
 糖尿病者の心筋障害に多少の特徴があるとすれば,次のごとき非糖尿病者との差異が考えられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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