icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina12巻5号

1975年04月発行

診断基準とその使い方

一過性脳虚血発作

著者: 大友英一1

所属機関: 1浴風会病院・内科

ページ範囲:P.841 - P.843

文献概要

 概念 一過性脳虚血発作とは,一過性に神経症状が出現するもので,動脈の粥状硬化と密接な関連を有し,脳梗塞を伴わないものとされている.神経症状は通常短時間(5〜10分が最も多い)出現して消失し,脳梗塞を伴わないということから,症状出現時医師が現場にいることは稀であり,医師を訪れた時神経学的所見のないこと,各種の臨床検査で必ずしも診断を確かにする所見に乏しく,診断は患者の訴えによってなされる点,また受診時症状があっても確実な診断は症状消失をまってはじめてなされることもあり,いろいろ問題の多いclinical entityといえる.
 一方,本発作は多いものであり,くり返しているうちに脳梗塞に進展することが少なくないことから,臨床上極めて重要なものである.通常,一過性脳虚血発作とは再発性のものを指し,本項ではこれについてのみ述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら