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小児の検査
ASOとCRP
著者: 紺野昌俊1
所属機関: 1帝京大小児科
ページ範囲:P.860 - P.861
文献購入ページに移動ASOが,溶連菌感染の有無の判定,あるいは急性糸球体腎炎やリウマチ熱等の診断に重要な意義を有していることは,周知のことである.溶連菌による感染の有無を調べるには,ASO(anti-streptolysin-O)のほかにASK(antistreptokinase),AHD(antihyarulonidase),ADN-ase(antideoxyribonuclease),ANAD-ase(antinicotinamid adenine dinucleotidase),また,抗M抗体,抗T抗体などを調べる方法もあるが,これらの抗体を調べることのできる施設は,溶連菌感染症やその続発症である急性糸球体腎炎やリウマチ熱の研究をしている特殊な施設のみで,一般の中検レベルでは,もっぱらASOが日常臨床検査に使用されている.その理由は,ASOは溶連菌感染症の患者のうち,約85%に陽性と出てくるといわれ,診断の確立が高いことに起因する.
そしてASOの値は,一般には単純な倍数稀釈によらないRantz-Landallの方法による,もう少しきめこまかな血清稀釈法により,その稀釈倍数によって表示される場合が多いのであるが,最近は,種々の簡易あるいは微量測定等の変法が考案され,中検で用いている方法によっては数値が多少変動しているものもあるが,大要としてはRantz-Landallの方法による稀釈倍数と大きな変動はない.
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