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文献詳細

雑誌文献

medicina12巻6号

1975年05月発行

文献概要

今月の主題 出血傾向の新知識 出血と止血のしくみ

血小板のはたらき

著者: 山中學1

所属機関: 1東大中検

ページ範囲:P.893 - P.895

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血小板の数と出血
 血小板がある数以下に減少すると,歯肉や鼻からの粘膜出血や皮膚の紫斑が現れ,出血時間は延長し,毛細血管抵抗が減弱する.血小板減少の典型的なものは特発性血小板減少性紫斑病であるが,ほかに再生不良性貧血,白血病,がんや肉腫の骨髄転移,薬物や感染症による減少,あるいは血管内凝固症候群の際の血小板消費の結果としての減少があり,いずれも出血傾向を示す.
 血小板は血液を血管外へ出さないようにいくつかの重要な機能をもつ.その1つは,①毛細血管内皮保護機能で,血小板が毛細血管の内皮細胞に積極的に入り込んで,これを強化し,血管から血液を外へ出さないようにする.これに使われる血小板数は1日約3万/mm3といわれる.したがって血小板が3万以下になると,血管内皮細胞の機能異常をきたし,赤血球は血管外へ逸出する.自然出血という形でみられる粘膜あるいは皮下の出血がこれに相当するであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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