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文献詳細

雑誌文献

medicina12巻6号

1975年05月発行

文献概要

今月の主題 出血傾向の新知識 知っておきたい出血性素因

第XIII因子欠乏症

著者: 鈴木弘文1

所属機関: 1北里大衛生学部血液学

ページ範囲:P.913 - P.915

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 血液凝固第XIII因子は,1963年の国際血液凝固因子命名委員会にて認定された最も新しい凝固因子である.この凝固因子の作用は図1のように血液凝固機構の最終段階である安定性フィブリンポリマーの生成に関与するものであり,フィブリン安定化因子(FSF:fibrin stabilizing factor)とも呼ばれている.第XIII因子は平常は不活性状態で血液中に存在しているが,ひとたび血液凝固が惹起されトロンビンの生成がみられると,このトロンビンとCa++の作用により活性化され,フィブリンの安定化をはかる.したがって第XIII因子の減少もしくは欠損している血液では,凝固時間は正常域値を示すが,形成されたフィブリン塊(凝血塊)が脆弱であるといった特有な所見を呈する.なお,第XIII因子の分子量は約30万といわれている.
 本凝固因子の欠乏症には先天性と後天性のものが存在する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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