文献詳細
文献概要
今月の主題 出血傾向の新知識 出血傾向の管理
血小板輸血
著者: 遠山博1 柴田洋一1
所属機関: 1東大輸血部
ページ範囲:P.952 - P.953
文献購入ページに移動血小板輸血の方法と手技
多血小板新鮮血 platelet-rich whole blood ACDを使用し,プラスチック・バッグかシリコン処理血液壜に採血し,直ちに(少なくとも2〜3時間以内,室温)輸血すれば血小板減少症に対し大きな威力を発揮するので,出血中のそれらにとって好適である.この血液は4℃24時間保存してもなお40〜50%の血小板が有効と考えられる.
多血小板血漿 platelet-rich plasma,PRP 記の血液を軽遠沈light spinして血漿部を分離蒐集する.Beckerら1)は米国製Sorval RC-3遠沈機で20℃,2,500rpm,6分遠沈し,血小板の75〜100%の回収を得たとしている.高速短時間遠沈法も普及しつつあり,AABB2)では上記でHG-4のHeadを使用(4,470×G),4,000rpm,3分の遠沈を推奨している.筆者らは国産K社製遠沈機(スイング型ローター,公称容量350ml×6,2,240×Gで3,000rpm)で,22℃,2,000rpm,血液壜を7分遠沈し血漿を他の陰圧シリコン壜にそっと吸引し,PRPを製造している.ここに大問題は血液・血小板の保存温度である.実用的問題は日赤新鮮血が病院に到着するのが夜になることも多く,その血液を翌朝まで血小板機能をあまり落とさず持ち越せるかどうかである.Murphyら3)は4℃より室温保存がよいとし,22℃に保存してあれば,3日保存の血小板でも体内生存期間はかなり長いとした.しかしCaenら4),Shivelyら5)はadenosine diphosphateによるaggregationであらわされた血小板機能は4℃保存のものの方がよいともした.Kattlove6)は出血の予防には体内生存の長い室温保存血小板がよく,出血に対する緊急血小板輸注には4℃保存の血小板がより有効であるとしたが,なお今後の検討によらねばならないと思われる.
多血小板新鮮血 platelet-rich whole blood ACDを使用し,プラスチック・バッグかシリコン処理血液壜に採血し,直ちに(少なくとも2〜3時間以内,室温)輸血すれば血小板減少症に対し大きな威力を発揮するので,出血中のそれらにとって好適である.この血液は4℃24時間保存してもなお40〜50%の血小板が有効と考えられる.
多血小板血漿 platelet-rich plasma,PRP 記の血液を軽遠沈light spinして血漿部を分離蒐集する.Beckerら1)は米国製Sorval RC-3遠沈機で20℃,2,500rpm,6分遠沈し,血小板の75〜100%の回収を得たとしている.高速短時間遠沈法も普及しつつあり,AABB2)では上記でHG-4のHeadを使用(4,470×G),4,000rpm,3分の遠沈を推奨している.筆者らは国産K社製遠沈機(スイング型ローター,公称容量350ml×6,2,240×Gで3,000rpm)で,22℃,2,000rpm,血液壜を7分遠沈し血漿を他の陰圧シリコン壜にそっと吸引し,PRPを製造している.ここに大問題は血液・血小板の保存温度である.実用的問題は日赤新鮮血が病院に到着するのが夜になることも多く,その血液を翌朝まで血小板機能をあまり落とさず持ち越せるかどうかである.Murphyら3)は4℃より室温保存がよいとし,22℃に保存してあれば,3日保存の血小板でも体内生存期間はかなり長いとした.しかしCaenら4),Shivelyら5)はadenosine diphosphateによるaggregationであらわされた血小板機能は4℃保存のものの方がよいともした.Kattlove6)は出血の予防には体内生存の長い室温保存血小板がよく,出血に対する緊急血小板輸注には4℃保存の血小板がより有効であるとしたが,なお今後の検討によらねばならないと思われる.
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