icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina12巻6号

1975年05月発行

文献概要

超音波診断の読み方

心臓断層図による診断

著者: 田中元直1

所属機関: 1東北大・抗酸菌病研究所

ページ範囲:P.975 - P.980

文献購入ページに移動
はじめに
 超音波心臓断層法はパルス反射法を応用した方法であり,その原理については他の臓器における断層法と同じである,しかし.循環器疾患においては,先天奇形にるける心血管構造変化をはじめとして,後天性疾患においても心房や心室の拡大,心筋肥厚,弁尖の変形等の形態異常,あるいは解綱学的構造異常が疾患の本質をなし.形態異常が機能上にも大きな影響を及ぼすことが多い.したがって.軟性組織構造の非観血的映像化の方法である超音波断層法の診断上の効果は他の臓器の場合とは比較にならぬほど重要な意味を有する.しかも心臓本来の機能であるポンプ機能の原動力は心臓壁の動きで生じ,その動き自体は心臓の各部分の位置や形の変化に現れるので,心臓構造に関する診断情報は機能判定上でも大きな役割を演ずる.このような点から,循環器領域における超音波応用は独特の展開がなされている.
 心血管系は主として筋性組織や弁尖,腱索などの線維性組織から成り立ち,内容として均一媒質とみなしうる血液を充たしており,その構造は音響的には超音波を用いて映像化するのに好都合な構造をなしている.弁尖や心臓壁と血液との境界面は良好な反射を生じ,心拍同期法による心臓断層図では心臓構造の2次元的断面像が容易にとらえられる.この断層図の上から,現在,次のような診断情報が得られている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら