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今月の主題 消化管潰瘍—診断および治療の現況 消化性潰瘍の成因と診断
びらん性胃炎
著者: 竹本忠良1 田中三千雄1 高崎健2
所属機関: 1東女医大消化器内科 2東女医大消化器外科
ページ範囲:P.1058 - P.1059
文献購入ページに移動"びらん性胃炎"という概念は現在でも混乱があり一定していない.もっとも,びらんそのものは粘膜に限局した上皮欠損で,潰瘍と違って粘膜筋板をこえていないし,瘢痕を残さず治癒すると共通した定義がなされているが,問題は"びらん性胃炎"という言葉である.以前から,急性びらん性胃炎,出血性胃炎あるいは表在性急性潰瘍という言葉があり,最近では"acute gastric mucosal lesion(AGML)"という用語も多用されている.
BockusのGastroenterology(第3版)のVol.1にはerosions and acute(stress)ulcerとまとめられており,別にAGMLの成因が酸とペプシンの役目よりも胃粘膜関門の障害がより重要で,Davenportらのアスピリン,インドメサチン,アルコールおよび胆汁酸がrnucosal barrierを傷つけ,Hイオンの胃粘膜へのback diffusionをつよめるという考え,それにMenguyらのコルチコイド,フェニールブタゾンが胃の粘液分泌の減少と組成の変化を起こし,これが防御力を低下することが述べられている.
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