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文献詳細

雑誌文献

medicina12巻7号

1975年06月発行

文献概要

今月の主題 消化管潰瘍—診断および治療の現況 消化性潰瘍の治療

出血性潰瘍の緊急処置

著者: 林貴雄1

所属機関: 1日大第3内科

ページ範囲:P.1068 - P.1069

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 上部消化管からの出血で,半数以上を占めるのが,胃および十二指腸潰瘍からの出血である.最近の内視鏡検査器械の進歩と診断技術の向上により,出血後早期の内視鏡検査が可能になった.出血後なるべく早期に内視鏡検査を行うと,図2のごとぐ,潰瘍底にしばしば露出した血管端を発見することがある.この露出血管が出血の原因であり,なんらかの方法でこの血管からの出血を阻止しなければならない.筆者らの経験では,このように露出した血管端を有する潰瘍は図1のごとく,胃体部の小彎側に多く,かつ比較的浅い急性期の潰瘍であることが多い.組織学的にみると慢性潰瘍と異なり,このような急性潰瘍に分枝する血管は図5のごとく,出血の瞬間まで正常状態を保っていることである.このため急な組織欠損により血管が露出し,大出血を起こすことが当然考えられる.
 この露出血管が存在する以上,輸血による血圧上昇,再出血をくりかえす結果になり,内視鏡診断と同時に緊急止血操作が必要となってくる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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