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文献詳細

雑誌文献

medicina12巻7号

1975年06月発行

文献概要

今月の主題 消化管潰瘍—診断および治療の現況 消化性潰瘍の治療

心身医学的療法

著者: 並木正義1

所属機関: 1北大第3内科

ページ範囲:P.1076 - P.1077

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消化性潰瘍とストレス
 消化性潰瘍は,従来から心身症の代表的疾患とされている.心身症とは大ざっぱにいって,患者を心身両面から全体的なものとしてみつめ,取り扱うことの必要性がとりわけあり,またそうしなければ,良好な治療効果の得られない疾患と思えばよい.消化性潰瘍は,こうした疾患の代表的なものだというわけである.つまり,本症は,胃や十二指腸の局所的疾患ではなく,心身を含めた全身病としての考慮をはらわなければならないものといえる.
 実際に消化性潰瘍の発生や再燃・再発にストレス,なかんずく精神的ストレスが,密接な関連性を有することについては,多くの医者が経験的に知っているし,最近では,一般の人々もストレスとかストレス潰瘍といった言葉を,あたかも流行語のように用いており,潰瘍の発生や再発に精神的要因がなんらかのかたちで関与することを,それとなく感じとっているものも少なくない.複雑な現代社会においては,さまざまなストレス因子が人間を悩ましていることは事実であり,このストレスによってひきおこされる神経性,体液性のアンバランスが,潰瘍の発生や再発に深い影響をもたらすことは十分考えられるところであり1,2),一方,それに対する適切な調整や対策が,治療上重要な意味をもつものであることもうなずける。このように考えるとき,消化性潰瘍の治療における心身医学的アプローチの位置づけは,おのずから明らかとなる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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