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文献詳細

雑誌文献

medicina12巻7号

1975年06月発行

文献概要

臨床病理医はこう読む

血清蛋白分画像(6)

著者: 河合忠1

所属機関: 1自治医大臨床病理

ページ範囲:P.1128 - P.1129

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急性相反応型血清蛋当分画像
 血清総蛋白濃度はやや低値を示すが,この症例のパターンでまず目立つのはalb分画の著減,α1およびα2分画の明らかな増加である.alb分画の減少はほとんどすべての病態で減少を示し,体組織への侵襲が大きいほど,また病態が長びくほどその低下も著しくなる.α1分画とα2分画がともに明らかに増加する場合は,活動性の炎症病変が存在する時にみられ,α糖蛋白(α1抗トリプシン,ハプトグロビン,など)の増加による.本症例ではCRP試験6+,発熱,関節痛を訴えてSLEの増悪期と診断された,このように,alb分画の減少,急性相反応物質acute phasere actants(α糖蛋白,フィブリノゲン,CRPなど)の増加を伴う病態を総称して急性相反応型分画像と呼び,活動性炎症病変に伴って認められる.
 β分画は主としてトランスフェリンによって占められ,血清アルブミン減少とほぼ同じような病態で減少傾向を示す.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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