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診療相談室
胃集検でのX線被曝量について
著者: 北畠隆1
所属機関: 1新潟大放射線科
ページ範囲:P.1136 - P.1136
文献購入ページに移動質問 胃集団検診(マーゲン車による)におけるX線被曝の許容量のだいたいの基準について,また毎年1回,10年間にわたり胃集団検診を受けた場合,被曝による障害は考えられないでしょうか.(愛媛県 U生 49歳)
答 放射線を人体に照射した場合の許容限界を定めようとする試みは古くからあったが,国際的に統一された考え方が確立したのは,国際放射線防護委員会(ICRP)の1950年報告以降である.しかし当時の許容線量の概念と,今日のそれとではかなり変わってきている.すなわち,ICRPの1954年報告では,許容線量とは,「現在の知識に照らして生涯のいずれの時期にも感知されうる程度の身体的障害を起こさないと思われる電離放射線の量のこと」であった.これが1958年勧告では,「個人に対する許容線量とは,現在の知識に照らして重い身体的障害または遺伝的障害の起こる確率が無視できるような線量」となり,1965年勧告では,「放射線防護の目的は放射線の急性効果を防止し,かつ晩発性効果の危険を容認できるレベルにまで制限することにある」と述べている.この許容基準として放射線作業者に対して年間5rem(最大許容量),公衆の構成員(一般の人々)に対して0.5rem(線量限度)が勧告されている.
答 放射線を人体に照射した場合の許容限界を定めようとする試みは古くからあったが,国際的に統一された考え方が確立したのは,国際放射線防護委員会(ICRP)の1950年報告以降である.しかし当時の許容線量の概念と,今日のそれとではかなり変わってきている.すなわち,ICRPの1954年報告では,許容線量とは,「現在の知識に照らして生涯のいずれの時期にも感知されうる程度の身体的障害を起こさないと思われる電離放射線の量のこと」であった.これが1958年勧告では,「個人に対する許容線量とは,現在の知識に照らして重い身体的障害または遺伝的障害の起こる確率が無視できるような線量」となり,1965年勧告では,「放射線防護の目的は放射線の急性効果を防止し,かつ晩発性効果の危険を容認できるレベルにまで制限することにある」と述べている.この許容基準として放射線作業者に対して年間5rem(最大許容量),公衆の構成員(一般の人々)に対して0.5rem(線量限度)が勧告されている.
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