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文献詳細

雑誌文献

medicina12巻8号

1975年07月発行

文献概要

今月の主題 感染症—最近の話題 細菌感染症—原因菌の変遷

緑膿菌感染症

著者: 谷本普一1 荒井信吾1

所属機関: 1虎の門病院・呼吸器科

ページ範囲:P.1170 - P.1172

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 およそ15年前にはほとんど問題にされなかった緑膿菌感染症は,今日では臨床上各領域で,難治性感染症のひとつとして多くの関心を集めるに至っている.日常環境内に常在し,腸内細菌として少なからず検出される緑膿菌は,白血病,悪性腫瘍,膠原病,慢性気管支疾患,火傷,大手術,臓器移植などの基礎疾患をもつ患者や新生児に感染すると,敗血症,肺炎,気道感染症,尿路感染症など,さまざまな発症を示し,種々の治療に抵抗し,しばしば重篤な予後を招来する.
 最近における緑膿菌感染症の増加の原因は,つぎの2点に要約される.①種々の抗生物質の開発により,グラム陽性球菌感染症の治療が容易になった反面,それらの薬剤に自然耐性をもつ緑膿菌の増殖しやすい条件が多くなったこと,②副腎皮質ホルモンや抗癌剤などの治療の進歩により,白血病,悪性腫瘍,膠原病など全身性の重篤な疾患あるいは重症肺不全患者,腎不全患者の延命が可能となり,全身ないし局所の抵抗力の減弱した患著が増えたことなどである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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