文献詳細
文献概要
今月の主題 感染症—最近の話題 滅菌法の実際
放射線滅菌
著者: 佐藤健二1
所属機関: 1東京都立アイソトープ総合研究所
ページ範囲:P.1216 - P.1217
文献購入ページに移動 放射線滅菌法が,医療用具の滅菌にはじめて導入されたのは1953年で,アメリカで行われた.初期の対象品は腸線縫合糸(カットガット)で,これは蛋白質を素材として(加熱できない)モノフィラメント様に作られており(EOガスが内部まで入らない),それまでは本品に適した滅菌法はないとされていたが,放射線のもつ強い殺菌力と,物質を通す透過力が強いという点がこのガットの滅菌を可能にしたといわれている.
一方,わが国では,1971年2月から本法の導入が認められ,滅菌施設も2ヵ所に建設されている.これらの施設の構造(図1)は,原理的にはどちらも同じで,60Coをつめたカプセルの間を被滅菌物がベルトコンベアシステムによって通過するようになっている.滅菌条件である照射線量は,ベルトコンベアのスピードを変えることによって任意に決定でき,同条件で多量のものが自動連続的に滅菌できるようになっている.
一方,わが国では,1971年2月から本法の導入が認められ,滅菌施設も2ヵ所に建設されている.これらの施設の構造(図1)は,原理的にはどちらも同じで,60Coをつめたカプセルの間を被滅菌物がベルトコンベアシステムによって通過するようになっている.滅菌条件である照射線量は,ベルトコンベアのスピードを変えることによって任意に決定でき,同条件で多量のものが自動連続的に滅菌できるようになっている.
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