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図解病態のしくみ 循環器シリーズ・5
肺水腫
著者: 博定1
所属機関: 1前田橋医院
ページ範囲:P.1274 - P.1275
文献購入ページに移動 肺水腫の原因 肺水腫の原因には,図に示したように心臓性のものと心臓外性のものとがあるが,日常の診療で,最も頻繁に遭遇するのは,心臓性のものである.事実,肺水腫の多くは,うっ血性心不全に続いて発生するので,軽度のいわゆる間質性肺水腫(interstitial pulmonary edema)が,うっ血性心不全と混同されることが多い.しかし,同じ肺水腫が頭蓋内圧亢進,肺血栓,高血圧緊急症,重症腎炎,高山病,溺水あるいはショック肺などに伴って突然発生することが,よく知られているので,その病態生理を単純に左室不全,そして高度の肺うっ血で説明しきることはできない.一言にしていえば,肺水腫は心肺性危機の急激な集約的表現であり,その治療に際しては,循環生理と呼吸生理に関する知識を動員してかからなければいけない.
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