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文献詳細

雑誌文献

medicina12巻9号

1975年08月発行

文献概要

今月の主題 甲状腺疾患のすべて 臨床的アプローチ

甲状腺炎の病態と治療

著者: 森田陸司1

所属機関: 1京大放射線科

ページ範囲:P.1386 - P.1387

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急性化膿性甲状腺炎
 病因と病理 通常,頭部や頸部の感染巣より,二次的に甲状腺内に化膿巣を作る稀な疾患である.起炎菌はstrePtococcusやPneumococcusのことが多い.病理組織像は局所のnecrosisと多核白血球浸潤,それに続く線維化が特徴的である.
 臨床症状と検査所見 悪寒,戦慄,全身倦怠の全身症状とともに,前頸部に激しい痛みをきたし,しばしば耳,下顎,後頭部に放散する,甲状腺部は発赤,腫脹と疼痛が強く,頸部リンパ節も腫大する.leucocytosisがあり,時に血中thyroxine量の増加(甲状腺破壊による貯蔵ホルモンの血中流出)を示すことがあるが,甲状腺機能は正常である.シンチグラムは病変部の取り込みが抑えられcold noduleに似た像を呈す.典型的なものは診断が容易であるが,時に亜急性甲状腺炎,嚢腫への出血,未分化癌,慢性甲状腺炎の急性増悪と鑑別する必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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