icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina12巻9号

1975年08月発行

文献概要

皮膚病変と内科疾患

膿疱および嚢腫を主徴とする皮膚病変と内科疾患

著者: 三浦修1

所属機関: 1杏林大皮膚科

ページ範囲:P.1430 - P.1431

文献購入ページに移動
 膿疱とは水疱または小水疱と同様の形態をなしてその内容が混濁している発疹をいい,その大小や内容の混濁する原因をば問わない.膿疱内容の液体が混濁する原因としては,崩壊して生じた組織片や組織液とその変性産物,炎症細胞の侵入,異物,とくに微生物などの混入などを主とする.これらを招来する機作としては炎症の頻度がもっとも高く,その他に低温,高温などの異常温度や機械的などの物理的および化学的作用,異物の迷入などがある.
 膿疱はまたその形成される深さにより,これに内容物の性状が加わって,硬さと色調に多少の差異をきたし,さらに真皮にまで達した場合には血液を混ずるため,その色調はヘモグロビンの変化に伴って紅色から暗紅色,褐色,淡褐色,黄色と,時日の経過に従って変ずる.さらに当初,水疱または小水疱として発来した発疹が,時を経るに従ってその内容が混濁して膿疱に変ずることは日常経験する所見である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?