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文献詳細

雑誌文献

medicina13巻10号

1976年10月発行

文献概要

今月の主題 アルコール性障害のトピックス 臓器障害,なぜ起こるか

造血器

著者: 高橋隆一1

所属機関: 1済生会中央病院内科

ページ範囲:P.1359 - P.1361

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 アルコール中毒の時に,骨髄の赤芽球および幼若顆粒球の空胞形成,胃腸出血による鉄欠乏性貧血,葉酸欠乏による巨赤芽球性貧血,可逆的な鉄芽球性貧血,肝硬変症を伴う慢性溶血などの種々の型の貧血,顆粒球減少,顆粒球の動員障害および血小板減少などの多彩な血液異常の認められることが知られている1).しかし,不摂生な食事のための栄養失調症,とくにビタミン欠乏症,肝硬変症,胃潰瘍および感染症などを合併することが多いため,血液異常がアルコールの直接作用によるものか,合併症によるものかが明らかでなかった.
 最近,アルコール投与実験を中心に血液学的および生化学的研究が行われ,アルコールの直接作用によってどのような血液異常が起きるかが明らかにされつつある.しかし,なぜ起こるかについては未だに一部しか明らかにされていない.わが国におけるこの方面の研究はほとんどなく,したがって文献もほとんどないが,アルコール中毒による血液異常を認めることが多くなりつつあるので,その概要を述べてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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