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文献詳細

雑誌文献

medicina13巻10号

1976年10月発行

文献概要

今月の主題 アルコール性障害のトピックス 臓器障害,なぜ起こるか

免疫機能—アルコール中毒者を中心に

著者: 土屋雅春1 高木敏1 吉武泰俊1

所属機関: 1慶大内科

ページ範囲:P.1362 - P.1363

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 アルコール中毒者における肝障害の発生機序については,アルコール自身による直接肝毒性1)を主とし,栄養障害等の種々の修飾因子が考えられている.しかし,中毒者の大多数は脂肪肝で,肝硬変症に進展していく者は10〜15%にすぎないとされている2),アルコール摂取量,飲酒期間,栄養状態が同じような条件下においても,一方では脂肪肝程度にとどまり,他方では,アルコール性肝硬変へ進展していくものがあることは,アルコールに対する生体の反応性の差,すなわち個体差の関与が重視される.
 アルコール中毒者では,高率に細胞性免疫異常がみられており3),さらに近年,アルコール性肝障害の進展機序の一部に細胞性免疫異常の関与していることが明らかにされてきている4).本稿では,とくにアルコール中毒者の細胞性免疫を中心に述べ,アルコール性肝障害の発生機序についても考察を加える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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