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文献詳細

雑誌文献

medicina13巻10号

1976年10月発行

今月の主題 アルコール性障害のトピックス

アルコールと代謝異常

脂質代謝

著者: 武藤泰敏1

所属機関: 1東大保健栄養

ページ範囲:P.1370 - P.1372

文献概要

 アルコール摂取によって早期に,しかも最も高率に観察されるのは高脂血症と脂肪肝であり,アルコールの脂質代謝に及ぼす影響は極めて大きい.アルコールは高熱量源(7Cal/g)であるとともに,他の栄養素に先行して利用される化合物でもある.それゆえ,アルコールの代謝一般に及ぼす影響を論ずる場合には,どのような栄養状態にあるかを把握することが大切であろう.
 筆者らが実際に食事調査をしたところ,毎日約1009のアルコール(清酒約5合)を連用する場合,糖質摂取量は著減するが,脂肪および蛋白質摂取量には大きな影響がないという結果が得られた(図1).このように低蛋白栄養状態がなくとも,肝障害(血清γ-GTPおよびGOT活性上昇はそれぞれ約60%と30%)ならびに高脂血症(約50%)が観察されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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