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文献詳細

雑誌文献

medicina13巻10号

1976年10月発行

今月の主題 アルコール性障害のトピックス

アルコール性疾患診断のポイント

Zieve症候群

著者: 高橋善弥太1

所属機関: 1岐阜大第1内科

ページ範囲:P.1384 - P.1385

文献概要

 Zieve症候群とは,1958年Zieveが1)黄疸と溶血性貧血と高中性脂肪血症あるいは高コレステロール血症を主徴とする20例の患者を集め,新しい症候群として提唱したものである里患者はいずれも多量のアルコール飲用の後に発症し,飲酒をやめると症状は改善し,高脂血症,高コレステロール血症も2〜3週間で消失する.貧血は軽度のものが多く,便の潜血反応は陰性で,大球性のことが多い.溶血は軽度で一過性であって,尿や大便中のウロビリノーゲンの増量と網赤血球の増加によって知り得る.血漿ビリルビンは全例増加しているが,入院時の最低は1.4mg/dl,最高は43.0mg/dlに及んでいる.
 多くの患者はいわゆる酒呑みであって,とくに大量に飲んだ後に発症する.食欲不振,嘔気,嘔吐,下痢,体重減少,寒気などがあり,ほとんどの例で上腹部痛がある.その程度はさまざまであるが,黄疸を伴うことから,胆石などが疑われ,開腹手術を受けることがある.白血球も増多を示すものが大部分であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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