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文献詳細

雑誌文献

medicina13巻11号

1976年11月発行

文献概要

今月の主題 電解質異常のすべて 電解質異常をみたとき

低カリウム異常

著者: 木村時久1 佐藤辰男1

所属機関: 1東北大第2内科

ページ範囲:P.1492 - P.1493

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 カリウム(以下K)は生体内で最も多量に存在する陽イオンであり,90%以上は細胞内に存在する.これに対して細胞外液にはわずか2%が存在するに過ぎない.正常人の1日のK摂取量は50〜100mEqで,その大部分(35〜90mEq)は尿中に,のこり(5〜10mEq)は糞中に排泄される.細胞内K濃度は約140mEq/lに,血清中は3.5〜5.0mEq/lに保たれ,細胞内NaとKの組成は細胞外液のそれと著明な対照をなしている.これは細胞膜のNaとKの能動輸送により,それぞれの濃度勾配が保たれているためである.
 Kの主な働きは,神経および筋組織の興奮性の維持や,生体内の代謝にも影響を及ぼしている.とくに糖代謝,蛋白代謝,酵素反応,さらに酸・塩基平衡などと密接に関係している.したがって,Kの欠乏は容易にこれらの系の異常をひき起こしている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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