文献詳細
文献概要
今月の主題 電解質異常のすべて 電解質異常の対策
GIK
著者: 宮下英夫1 佐藤友英2
所属機関: 1帝京大第1内科 2帝京大内科
ページ範囲:P.1548 - P.1549
文献購入ページに移動心筋梗塞による障害部,虚血部の心筋細胞は細胞内Kを喪失し,その静止電位は低下する(hypopolarization).GIK溶液はinsulinが細胞膜に働き,glucoseとKの細胞内とりこみを促進し,虚血によって失われた細胞内Kを正常化し,細胞内外K比の正常化により,正常分極状態(normal polarization)となる.さらに酸化的燐酸化を促進し,細胞内ATP,グリコーゲン生成能をも高める.すなわち,虚血による細胞障害を抑制し,不整脈発生のfocusとして働くことをより少なくするのがそのメカニズムであると主張した.このような意味から,GIK溶液は分極溶液(polarizing solution)ともよばれ,GIK療法はpolarizing treatmentとよばれることがある.
掲載誌情報