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文献詳細

雑誌文献

medicina13巻11号

1976年11月発行

文献概要

診断基準とその使い方

肺性心

著者: 前田如矢1

所属機関: 1阪市大第1内科

ページ範囲:P.1564 - P.1566

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はじめに
 肺疾患が存在し,肺の機能や構造の障害される程度がつよいと,心臓に負担がかかる.肺と心とは胸郭内にあって隣接し,機能的にも密接な関係があり,循環系において肺がしめている位置よりみて,心臓でも主として右心系の障害を起こしてくる.肺疾患を原因として,二次的に続発した心疾患を肺性心とよんでいるが,その臨床像は呼吸器と循環器の両系統にわたるため多彩であり,一般に難治性の経過をとることが多く,予後も不良である.
 基礎疾患の性質によっては,急激に変化を生じる場合もあり,また,きわめて慢性の経過をとる例もある.臨床的に問題とされることが多いのは慢性の肺性心であるが,その診断は下記に述べるように必ずしも容易ではない.その発生機序や診断基準について種々の検討が行われているが,現時点ではなお未解決な問題が多い.本稿においては,筆者がどのような点に留意して,肺性心を臨床診断しているかを述べてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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