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文献詳細

雑誌文献

medicina13巻12号

1976年12月発行

文献概要

診療メモ

脳波判読と校正電圧曲線

著者: 江部充1

所属機関: 1虎の門病院生理学科

ページ範囲:P.1633 - P.1633

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 心電図や脳波のように,体表面に電極を接着して増幅器や記録器のような電子機器を使用して検査をする場合,生体での現象がこれらの機器の特性によっていろいろな制約や歪みをうけて表現されることを忘れてはいけない.とくに波形や振幅をみる場合にそれが大切である.脳波の場合,脳波計の低域周波数を決める時定数は0.3秒ということになっている.これが小さくなれば,ゆっくりとした変動の振幅が抑えられるために基線の動揺が少なくなり,一見きれいな記録がとれたように見える.しかし,徐波の振幅もまた抑えられて小さくなっている.また,高域は60Hzまでは平坦な周波数特性をもっていなければならないが,これが守られなくて低域に傾くと棘波(spike)の振幅が小さくなったり,先端が丸味をおびて小さなspikeなどを見逃すこともある,このような周波数特性の変化の原因が,装置の増幅器に由来することもあれば,記録器に由来することもある,このような周波数特性の変化を簡単に見極めるには,なんといっても校正電圧曲線(calibration curve)をよく見ることである.脳波を判読する前にまずこの曲線をながめて,その高さが正しく5mm/50μVか,先端がきれいに尖っているか,時定数が0.3秒になっているか,脳波計の全チャンネルで一列にそろっているか否かを判断しなければならない.
 記録器のペン圧のちょっとした差がしばしば波形を歪ませる原因となることがある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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