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文献詳細

雑誌文献

medicina13巻12号

1976年12月発行

文献概要

診療メモ

聴診器の使い方

著者: 石見善一1

所属機関: 1石見循環器クリニック

ページ範囲:P.1637 - P.1637

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 聴診器の使い方でまず重要なことは,聴診器自体の選択である.アメリカの教科書に悪い聴診器の例として出されているような代物を使用している方はもうあるまいが,スマートなアメリカ式のものもクレームをつけるとすればつけ得る.それはear pieceである.はじめからやわらかく耳に合致し,長時間使用しても耳の痛みを感じない,しかもear pieceの金属部の角度がうまく外聴道に一致しているものは少なく,同一聴診器でも馴れるまでにはかなりの時間を要する.各自に自由に使いこなせるものを持っていることが何より大切で,借りものの聴診器では旧式の聴診器に劣る場合も起こり得る.
 聴診に際して第2に大切なことは聞こうとすることである.「心ここに在らざれば聞けども聞こえず」で,常に何を聞こうとしているかを明確にしておくことが大切である.たとえば第II音は?……強度は?……分裂は?……雑音は?と常に自問自答しながら聴診をすすめていく.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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