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文献詳細

雑誌文献

medicina13巻12号

1976年12月発行

診療メモ

呼吸器疾患における視診のポイント

著者: 金上晴夫1

所属機関: 1金上クリニック

ページ範囲:P.1688 - P.1688

文献概要

1)顔面の腫脹:頸から顔にかけて赤く腫脹している所見は上大静脈が圧迫されている所見として重要である.この場合の腫脹あるいは浮腫は頸静脈の怒張を伴い,顔面の発赤を伴うので,腎炎の浮腫が一見蒼白なのに比べて区別できる.悪性腫瘍,とくに肺癌や縦隔リンパ節の転移を疑う所見である.
 2)女性乳房:男性の乳部が女性のように肥大したもので乳首がかたい.阿部によれば高齢者の男性で女性乳房を訴えて来院した症例109例中,胸部X線検査の結果20例(25%)に肺癌を認め,また肺癌267例中,女性乳房の合併が7.5%であったと報告しているので,肺癌を疑うべき重要な所見である.女性乳房があって胸部X線写真で異常陰影を認めたら肺癌を疑って精密検査をすべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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