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文献詳細

雑誌文献

medicina13巻12号

1976年12月発行

臨時増刊特集 日常役立つ診療技術

診断篇 VI.泌尿器系疾患の診断技術

1.尿路造影法

著者: 多田信平1 木野雅夫1 兼平千裕1

所属機関: 1慈恵医大放射線科

ページ範囲:P.1730 - P.1733

文献概要

 尿路造影法として最も重要な位置を占め,かつ最も頻繁に現在施行されているのは排泄性尿路造影,すなわち,経静脈性腎盂造影intravenous pyelography(IVP)と呼ばれるものである.この腎盂造影の呼称は逆行性に対するものとして用いられているが,実際には腎孟の造影のみならず,腎実質,腎杯,腎盂,尿管,膀胱を造影するものであり,ことに腎実質読影の重要性を強調するため,静脈性尿路造影intravenous urography(IVU)と好んで呼ぶむきもある.
 われわれの施設では,年間およそ1,500〜2,000例のIVPが行われているのに対して,逆行性腎盂造影は15例程度に過ぎない,この極端な両者の比率は最近10年来,徐々に固定化されてきた傾向であり,種々な理由が挙げられる.すなわち,①安全な造影剤が出現して,経静脈性に大量の造影剤の使用が可能になったこと,②それにより腎不全症を含め,IVPの適応症が拡大されたこと,③経皮的血管造影の発展が,逆行性腎盂造影法の適応をせばめたこと,④逆行性腎盂造影法が技術的に熟練を要し,かつ尿路感染を起こす危険の大きいこと,などである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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